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力のバランスを考える

82歳のおばあちゃん。
初診でいらっしゃった。50過ぎの息子さんが連れてこられた。
先月作った入れ歯が合わずに苦労しているようだった。

まずはじっくりお話を伺った。
保険外治療も含めて結構お金を使ったこと。左ではよく噛めないこと。などを訴えられた。よくよく聞いていくと、前医の言うこととする事が違うので信用できなくなったらしかった。

治療結果に不満があり、期待が大きい場合は次の歯科医は苦労する。それでも、熊本市内から車で50分ほどの大津町から息子さんの紹介でこられるのだ。何とか結果は出したい。

インプラントを用いれば割と簡単に解決しそうだが、年齢を考えるとなんとか入れ歯で対応したい。できれば作り直さずに、前医が先月作ったその入れ歯を使えるようにしたい。俄然技工士魂が頭をもたげる。

噛みあわせと粘膜面の適合状態をチェック、修正。維持装置のクラスプの強さも重要な要因だ。小一時間ほどかかったが、何とかなるかもしれない。食事をしてみないとわからない。

終わるとすぐに息子さんに連絡されていた。ほどなく息子さんがあらわれた。
年老いた母に、なんとか好きなものをしっかり食べられるようにしてあげたいという息子さんの気持ちが伝わってくる。心が温まると同時に、身が引き締まる思いだ。


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